日付が変わりましたが

6月22日
麻央さんが旅立たれました。

奇跡を信じる
最後まで諦めない
という言葉に、うなづく一方で

医師としての目線では
少しずつ、最後の時が近づいているのを
感じずにはおれませんでした。

それでも、悲しいお知らせでした。

産婦人科医は
命が生まれる瞬間に立ち会うこともあれば
亡くなる瞬間に立ち会うこともあります。

出産に立ち会い、おめでとうと言った次の瞬間
別の部屋で
お亡くなりになりましたと宣告したこともありました

その時その時の患者さんたちの気持ちに寄り添うことは
とても大切なことですが
それを診療の場に引きずるわけにはいきません。

でも、亡くなられた患者様のことは
今でもことあるごとに思い出します。

幼い子供さんを残して亡くなった20代の方
私が死んだら、夫には再婚して幸せになって欲しいと言って亡くなった30代の方
お子さん二人が受験目前に亡くなった40代の方
息子さんの結婚が決まって喜んでおられた50代の方
もう一度美味しいものが食べたいと言いながらお亡くなりになった60代の方
家に帰りたいけど、家族に迷惑がかかると我慢されていて
無理やりにでも一時帰宅していただいてそのまま自宅で亡くなった70代の方
他にもたくさん・・・

あの頃は私もまだ若くて、一生懸命ではあったけれど
本当に患者さんたちの気持ちにちゃんと寄り添えていたのだろうか・・・
この歳になって
全然わかってなかったなあと、後悔することもあり
今でも辛くなります

麻央さんは
病を公にされてから
ブログで日々の出来事や体調を発信されておられましたね
たくさんの方が読まれていたから
麻央さんのことを気にかけていた方々はきっと
親しい方が亡くなったような
深い悲しみ、喪失感を味わっているのではないかと思います
私もその一人です。

本当に悲しい、悲しいけれど
海老蔵さんも言ってたように
これほどまでに強く、たくましく
愛に溢れ、素敵に生きた女性として
これからもずっと私たちの心に残る方は
そういないのではないかと思います。

普段は
楽しく生きることばかり考えていますが
久しぶりに
いかに死ぬかということを
考えさせられました。

残されたご家族の心がゆっくりでいいので平常に戻られることと
麻央さんのご冥福をお祈りいたします。